『ネット速読の達人ワザ』は情報社会の必携書
少し前のことになりますが、コグレマサトさんの『ネット速読の達人ワザ』(青春出版社)を読みました。
のっけからなんですが、「〈情報〉とは何か」という問いに答えるのはなかなか難しいものです。五感で捉えられるものはすべて〈情報〉ですし、インターネット上にあるものは、文章も画像も映像もすべて〈情報〉だし……。とかく、わたしにとって情報というものは捉えにくい概念であります。
しかしながら、われわれの生きる情報化社会においては、このよくわからない情報と否が応でも付き合っていかなければいけない。その現代にあって、本書は「情報化社会版 地球の歩き方」なのではないかと思います。
この本の序章ではまず一番最初に、情報を「フロー」と「ストック」に分けて説明しています。フロー情報とは「ネットを流れてくる流動的な情報」のことで、ストック情報は「流れていた情報をためておくこと」(p.14)。例としては、Twitterのタイムラインがフロー、ブログの記事はストックという考え方です。(動的ページとか静的ページとかありましたよね、MTに……。)ネットで目にする情報が、この二種類に分けられることを意識すること、その上で、フロー情報を後に再利用可能な形でストックすることこそが、コグレさんの言う「ネット速読術」なのだそうです。
これ以降の章では、具体的なワザにシフトしていきます。
コグレさんは茫漠とした〈情報〉というものをきっちりと定義することで、それらを扱いやすくしています。どんなことでも、わかったつもりになって方法だけを真似しても、たぶん、それは本当には身につかない技術なのではないかと思います。でもこうして考え方をわかりやすく示してもらうと、それぞれの手法を納得した上で実践することができて、最初は真似して始めたことでも、そのうちに自分のスタイルとして定着していきそうです。
わたしが参考にした部分を以下に箇条書きでまとめてみます。
・Togetterで効率よく話題の流れをつかむ
・フロー情報はiPhoneでキャッチ
・情報の一時保管庫「Instapaper」で生活が一変する
・動画を速く見る裏ワザ
ネットは大好きなのですが、この本を読んでからこれまでアウトプットやアクションを意識していなかったことを自覚して、ちょっと考え方が変わりました。
本書は入門編、それゆえ情報化社会をサバイブするための必読書なのじゃないかと思いつつ、エントリを締めさせていただきます。